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東京労働局発表
平成22年6月10日


東京労働局 雇用均等室
 室  長 柴田眞由美
 室長補佐  吉永 佳代
電 話 03(3512)1611


「妊娠・出産等による不利益取扱い」「セクシュアルハラスメント」
に関する相談、紛争解決援助が依然として多い

-平成21年度男女雇用機会均等法の施行状況について-

東京労働局(局長 東 明洋)では、平成21年度の男女雇用機会均等法(以下、「均等法」という。)に関する施行状況(資料1)をとりまとめた。

◆ポイント◆

1.妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いに関する相談が、510件

平成21年度の均等法に関する相談件数は3,878件であり、労働者からの相談が全体の6割を超えた。

相談内容別にみると、最も多いのはセクシュアルハラスメントに関するもの(2,416件/62%)であるが、景気停滞に伴う雇用情勢の悪化を背景に、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いに関するものが依然として多く、510件(13%)となっている。

2.個別紛争解決援助の件数が増加

労働局長による紛争解決援助の申立件数は、59件。セクシュアルハラスメントに関するものが最多(31件)であるが、次いで、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いに関するものが多く、全体の4割(23件)を占めている。

機会均等調停会議による調停の申請件数は、8件であり、前年度に比べ倍増した。

添付資料

資料1 東京労働局における男女雇用機会均等法の施行状況(H21年度)

資料2 男女雇用機会均等法のあらまし

資料3 紛争解決援助制度のご案内

1.相談の状況(資料1【表1】【表2】)

◆ 相談件数は、3,878件。

◆ 労働者からの相談割合が増加し、全体の6割を占める。

◆ 最も多いのは、セクシュアルハラスメントに関する相談。次いで、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いに関する相談が依然として多い。

○ 平成21年度に、東京労働局 雇用均等室に寄せられた均等法に関する相談は、3,878件。平成19年4月1日の均等法改正から3年が経過し、事業主からの相談は減少しているが、労働者からの相談は前年度とほぼ同水準の件数(2,379件)となっており、相談全体の6割を占める。

【図1】相談件数の推移

→ 均等法の内容については、資料2参照

○ 相談内容別にみると、最も多いのは、セクシュアルハラスメントに関する相談で、2416件(62%)。次いで、景気停滞に伴う雇用情勢の悪化を背景に、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いに関する相談が依然として多く、510件(13%)となっている。

【図2】相談内容の内訳

○ 図2の項目ごとの具体的な主な相談内容は、以下のようなもの。

セクシュアルハラスメント(2416件)

「上司からセクハラを受けているが、どこに相談していいいかわからない。」

「セクハラについて相談したところ、自分だけが配置転換になった。」

妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い(510件)

「妊娠を報告したところ、執拗に退職を勧奨されている。」

「派遣労働者は産休が取れないので、契約は更新しないと言われている」

母性健康管理(406件)

「通勤緩和を申し出たが、派遣労働者には認められないと言われた。」

「切迫流産で1週間休業が必要と診断が出たが、会社には制度が無いと言われた。」

募集・採用(197件)

「経理事務の仕事に応募したところ、男性は採用しないと言われた。」

「採用面接で、結婚予定の有無について執拗に質問された。」

2.労働局長による紛争解決援助の状況(資料1【表3】)

◆ 紛争解決援助の申立件数は、59件。

◆ セクシュアルハラスメントに関するものが、最多(31件)。次いで、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いに関するものが多く、全体の約4割(23件)。

○ 平成21年度、新たに東京労働局長あてになされた均等法第17条に基づく紛争解決援助の申立件数は、59件。

○ 申立の内容をみると、セクシュアルハラスメントに関するものが最も多く、31件。次いで、景気停滞に伴う雇用情勢の悪化を背景に、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いに関するものが多く、全体の39%(23件)を占める。

○ 平成21年度中に援助を終了した事案(50件)のうち、20件が円満に解決した。

【図3】紛争解決援助申立件数の推移

→ 労働局長による紛争解決援助制度については、資料3参照

3.機会均等調停委員会議による調停の状況(資料1【表4】)

◆ 調停申請件数が、倍増。

◆ セクシュアルハラスメントに係るものが最多。昇進に関するものも、2件。

◆ 平成21年度に終了した事案は、100%解決に至っている。

○ 平成21年度、東京労働局の調停申請受理件数は8件と、前年度に比べ、倍増している。

○ 申請の内容をみると、セクシュアルハラスメントに関するものが5件と最も多い。次いで、昇進に関するものが2件、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いに関するものが1件。

○ 調停の実施結果をみると、平成21年度に終了した5件全てについて調停案の受諾勧告を行っており、全て、当事者双方が調停案を受諾し、解決に至っている。

【図4】調停申請受理件数の推移

→ 機会均等調停委員会による調停については、資料3参照

4.行政指導の状況(資料1【表5】)

◆ 是正指導件数は、751件。昨年度に引き続き、増加。

◆ 平成21年中に是正されたものは、94%。

○ 平成21年度は、317事業所を対象に報告徴収を実施し、このうち何らかの均等法違反のあった294事業所に対し、751件の是正指導を行った。是正指導件数は、平成19年度と比し約1.5倍に増えた平成20年度より、更に10%増加している。

○ 指導事項としてはセクシュアルハラスメントに関するものが最も多く、全体の70%を超えている。

○ 前年度から引き続いて指導を行った事案も含め、全体の94%が平成21年度中に是正されている。


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