厚生労働省
東京労働局発表 平成22年3月17日(水) |
担 当 |
職業安定部 職業安定課 課 長 長崎 誠 地方労働市場情報官 湯地 敏秋 電話 03-3512-1654(直通) FAX 03-3512-1565 |
都内学卒者の初任賃金
(平成22年3月新規学校卒業者の求人初任給調査結果)
東京都内のハローワークで受理した平成22年3月卒業予定者(大学、短大、専修、高校、中学)に対する求人賃金について調査を行い、その結果を次のとおり取りまとめた。
調査概要
1.調査方法
東京都内のハローワークで調査期間中に受理した学卒求人票(大学、短大、専修、高校、中学卒業者向けの求人票)に記載された求人賃金を調査した。
2.調査期間
大学・短大・専修 …………… 平成21年3月 2日~9月10日
高校・中学 …………………… 平成21年6月22日~8月31日
3.調査項目
学卒求人票に記載された「定期的に支払われる賃金」及び「求人数」を学歴別、事業所規模別、産業別、職業別に調査した。
4.調査対象数
図1 学歴別求人数の推移
5.留意事項
初任賃金は四分位数の中位数により求めた。ただし、対象件数が3件以下の場合は算術平均により求め、該当する数値に「※」を付した。
調査結果
学卒者対象求人の中位数における平均賃金額は以下のとおりとなった。
なお、中卒対象求人については、求人申込件数自体が24件と少ないため、調査の結果については割愛した。
1.学歴別にみた初任賃金(中位数)
初任賃金(中位数)は、大学、短大、専修卒対象求人については昨年より減少したが、高校卒対象求人については上昇した。(表1)
表1 学歴別初任賃金(中位数)
図2 過去20年の学歴別初任賃金の推移
2.事業所規模別にみた初任賃金(中位数)
1,000人以上の大企業の初任賃金(中位数)を基準(100)としたときの事業所規模間格差をみると、短大、専修の500~999人の規模が大企業を下回っており、それ以外については他規模が大企業を上回った。
全体的に29人以下の規模の事業所が他規模の事業所に比べて高い数値となっており、その中でも短大の106.0が最も高い数値となった。(表2)
表2 事業所規模別・学歴別初任賃金(中位数)格差
3.産業別にみた初任賃金(中位数)
産業別に最も高い初任賃金(中位数)をみると、大学では「情報通信業」の208,000円、専修では「教育、学習支援業」の196,500円、短大、高校は「建設業」で、それぞれ193,000円、175,000円となった。高校の「建設業」については昨年に引き続き最も高い産業となっているが、初任賃金額は前年同額であった。
最も低い産業をみると、大学では昨年同様「医療、福祉」で、196,000円となり、初任賃金額は前年より2.0%減少した。短大、専修ではともに「運輸業、郵便業」で、それぞれ176,100円、171,000円となった。高校については「教育、学習支援業」で153,000円であった。(表3)
表3 学歴別・産業別初任賃金(中位数)
平成22年3月卒
平成21年3月卒
4.初任賃金の分布
賃金階級別での求人分布状況をみると、最も大きな割合を占めていたのは、大学では200,000~209,999円で29.3%、短大、専修では180,000~189,999円でそれぞれ26.6%、23.5%となり、高校では160,000~169,999円で29.5%であった。(表4)
表4 賃金階級別・学歴別求人分布状況
※求人分布割合が高い上位3区分については網かけで表示。
5.職業別にみた初任賃金(中位数)
求人の大多数を占める3職種(専門・技術、事務、販売の3職種。高校はこれに技能を加えた計4職種。)別に初任賃金(中位数)をみると、最も高い職業は、昨年に引き続き全学歴において「専門・技術」となった。高校は172,500円と昨年より0.8%上昇しているが、大学、短大、専修は減少し、それぞれ205,000円(1.3%減少)、187,000(1.1%減少)、188,000(0.5%減少)となった。
一方、最も低い職業をみると、こちらも昨年に引き続き全学歴において「事務」となっており、高校については162,000円で0.3%減少しているが、大学、短大、専修は、昨年と同額でそれぞれ200,000円、180,000円、180,000円であった。(表5)
表5 学歴別・職業別初任賃金(中位数)