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過重労働による脳・心臓疾患及び精神疾患の発症を懸念する企業が大幅に増加/調査結果の概要 - 東京労働局


(参考1)
調査結果の概要

 東京労働局では、「かけがえのないあなた かけがえのない健康」を標語とする「過重労働による健康障害防止運動」を平成15年7月から実施している。今回の調査は本運動の一環として、企業における過重労働による健康障害防止対策を中心とする健康管理状況を確認するために、平成14年度、15年度、16年度(以下「前回3調査」という。)に引き続き、第10次労働災害防止計画の最終年度にも当たることから実施したものである。
  調査は平成19年7月に通信調査として実施し、1367社から回答を得た(回答率31.8%)。調査対象は企業規模300人以上の本社の状況である。
  1367社のうち本社所属労働者数が50人以上の規模の企業が1108社(81.1%)、50人未満が212社(15.5%)、無回答が47社(3.4%)であった。主な業種の内訳は、製造業225社(16.5%)、卸小売業221社(16.2%)、建設業80社(5.9%)、金融・保険業74社(5.4%)、運輸業58社(4.2%)、教育・研究業54社(4.0%)であった。(下表)

調査回答企業の業種別状況
(社.(%))

製造
卸小売
建設
金融・
保険業
運輸
教育・
研究
病院・
保健
衛生
飲食
接客・
娯楽
不動産
郵便・
通信業
電気・
ガス・
熱供給
その他 合計
回答企業
225 221 80 74 58 54 43 30 25 25 12 9 511 1367
回答企業
の割合
16.5 16.2 5.9 5.4 4.2 4 3.1 2.2 1.8 1.8 0.8 0.7 37.4

グラフ 調査対象企業の主な業種の内訳

§I 心身の健康確保対策の現状について
1 心身の健康確保のために重視し、実際に対応している事項として最も多いのは「健康診断の完全実施」であり、次に「メンタルヘルス対策」が続いている。(表1)


 心身の健康確保のために重視し、実際に対応している事項(複数回答)は、今回のアンケート調査では、「健康診断の完全実施」としている企業が1121社(全体の82.0%)と最も多く、次いで「メンタルヘルス対策」が661社(全体の48.42%)、「健康教育・健康相談の実施」が550社(全体の40.2%)、「健康診断事後措置の完全実施」が546社(全体の39.9%)となっている。
  前回3調査と比較すると、「メンタルヘルス対策の充実」、「労働時間・労働密度など心身の過重負荷要因の改善」、「健康教育・健康相談の実施」が大きく増加し、過重労働による健康障害防止関係の関心が高まっている。「快適職場の形成」も増加している。
  反面「喫煙対策の実施」、「がん検診・人間ドック等健診の充実」については、一定定着したものと見なされたためか減少している。

表1 《心身の健康確保のために重視し、実際に対応している主な事項》(複数回答)
( 社.(%))
重視し、対応している事項 19年度 16年度 15年度 14年度
1 健康診断の完全実施 1121(82.0) 923(86.2) 959(86.7) 1295(85.8)
2 メンタルヘルス対策の充実 661(48.4) 401(37.4) 346 (31.3) 370(24.5)
3 健康教育・健康相談の実施 550(40.2) 367(34.3) 378 (34.2) 442(29.3)
4 健康診断事後措置の完全実施 546(39.9) 510(47.6) 522(47.2) 706(46.8)
5 がん検診・人間ドック等健診の充実 513(37.5) 478(44.6) 509(46.0) 641(42.5)
6 労働時間等の心身の過重負荷要因の改善 505(36.9) 298(27.8) 239(21.6) 235(15.6)
7 喫煙対策の実施 462(33.8) 484(45.2) 477(43.1) 492(32.6)
8 衛生管理体制の確立 378(27.7) 263(24.6) 309(27.9) 323(21.4)
9 快適職場の形成 337(24.7) 212(19.8) 224(20.3) 263(17.4)
10 食事・生活習慣についての教育 219(16.2) 182(17.0) 166(15.0) 238(15.8)

グラフ1 心身の健康のために重視している主な事項の推移

2 心身の健康確保対策を実施する際の問題点として最も多いのは「適当な人材確保が困難」で35.5%(表2)


 心身の健康確保対策を実施する際の問題点(複数回答)は、「特に問題点はない」としている190社を除く1177社において、「適当な人材確保が困難」485社(35.5%)が最も多く、次いで「時間確保が困難」424社(31.0%)が30%を超えており、他に「労働者の関心が得られない」403社(29.5%)、「効果的な実施方法が不明」388社(28.4%)、「経費がかかる」310社(22.7%)などとなっている。
  前回3調査と比較すると、わずかに順位の入れ替えがあるものの、おおむね同様の傾向で推移している。

表2 《心身の健康確保対策を実施する際の問題点》(複数回答)
( 社.(%))
問 題 点 19年度 16年度 15年度 14年度
1 適当な人材確保が困難 485(35.5) 320(36.0) 353(37.5) 470(37.6)
2 時間確保が困難 424(31.0) 289(32.5) 285(30.3) 395(31.6)
3 労働者の関心が得られない 403(29.5) 320(36.0) 340(36.1) 431(34.5)
4 効果的な実施方法が不明 388(28.4) 285(32.1) 273(29.0) 392(31.3)
5 経費がかかる 310(22.7) 282(31.7) 340(36.1) 391(31.3)
6 対費用効果が不明 236(17.3) 175(19.7) 184(19.6) 234(18.7)
7 設備・場所の確保が困難 175(12.8) 150(16.9) 177(18.8) 222(17.7)

グラフ2 心身の健康確保対策を実施する際の問題点の推移
3 脳・心臓疾患発症の懸念があるとしている企業は、全体の半数を超える 50.2%(表3における区分の欄のA-ア)


 過重労働による脳・心臓疾患の「発症が懸念される」としている企業は686社で、全体の50.2%に当たる。
 その内訳は「過去3年程度の間に過重労働が関連したと思われる健康障害の発症例があった」企業が52社(3.8%)、「発症例はないが発症が懸念される」としている企業が634社(46.4%)であった。
 脳・心臓疾患の「発症が懸念される」とした企業の割合は、前回3調査では30%台であったものが十数ポイント増加しており、過重労働による健康障害を懸念する企業の割合は高まっている。

表3 《過重労働に関連する疾患発症の認識》
( 社.(%))
区 分 A 脳・心臓疾患 B 精神疾患
19年度 16年度 15年度 14年度 19年度 16年度 15年度 14年度
ア 発症が懸念される 686(50.2) 410(38.3) 390( 35.3) 455( 30.1) 729(53.3) 362(33.8) 393(35.5) 414( 27.4)
(発症例あり) 52( 3.8) 33( 3.1) 13( 1.2) 29( 1.9) 186(13.6) 74( 6.9) 60( 5.4) 70( 4.6)
(発症例なし) 634(46.4) 377(35.2) 377( 34.1) 426( 28.2) 543(39.7) 288(26.9) 333(30.1) 344( 22.8)
イ 発症の懸念は少ない 666(48.7) 654(61.1) 710( 64.2) 1038( 68.8) 587(42.9) 579(54.1) 665(60.1) 985( 65.3)
(発症例あり) 42( 3.1) 20( 1.9) 27( 2.4) 35( 2.3) 79( 5.7) 34( 3.2) 33( 3.0) 53( 3.5)
(発症例なし) 624(45.6) 634(59.2) 683( 61.8) 1003( 66.5) 508(37.2) 545(50.9) 632(57.1) 932( 61.8)
ウ 無回答 15( 1.1) 7( 0.7) 6( 0.5) 16( 1.1) 51( 3.7) 130(12.1) 48( 4.3) 110( 7.3)

グラフ3 脳・心臓疾患の発症の認識 グラフ4 精神疾患の発症の認識
4 精神疾患発症の懸念があるとしている企業も半数を超えて53.3%(表3における区分の欄のB-ア)


 過重労働に関連する精神疾患の「発症が懸念される」としている企業は729社で、全体の53.3%に当たる。
 その内訳は、「過去3年程度の間に過重労働も関連したと思われる精神疾患の発症例があった」企業が186社(13.6%)、「発症例はないが発症が懸念される」としている企業が543社(39.7%)である。
 また、過重労働との関わりとは関係なく過去3年程度の間に、精神障害の発症例があった企業は759社と全体の半数を超える55.5%にのぼり、他の精神疾患が疑われる例を含めると、合計1053社(全体の77.0%)で何らかの精神障害の発症が疑われ状況にある。

表4 《精神疾患の発症例》
(社、(%))
精神疾患発症例の有無等 事業場数 割 合
発症例があった 759 55.5
精神疾患が疑われる発症例があった 207 15.1
報告はなかったが発症が疑われる例があった 20 1.5
確認はできなかったが発症が疑われる例があった 67 4.9
発症例はなかった 301 22.0
無回答 13 1.0

グラフ5 精神疾患の発症例

§II 労働安全衛生法により衛生管理体制の整備が義務づけられている事業場(本社所属の労働者が50人以上の事業場)の衛生管理体制の整備状況について

1 衛生管理者及び産業医の選任率は、それぞれ86.7%、95.9%(表5)


 衛生管理体制の確立が義務づけられている常時使用労働者数50人以上となる事業場は 1108社である。そのうち衛生管理者が選任されている事業場は961社(86.7%)、産業医が選任されている事業場は1063社(95.9%)であった。
  前回3調査と比較すると、衛生管理者・産業医とも選任率は横ばいであった。
  業種別では、衛生管理者選任率では電気ガス業・熱供給業(100%)、不動産業(95.7%)、運輸業(95.6%)、製造業(93.4%)で高く、産業医選任率では、電気ガス熱供給業業(100%)、製造業(98.6%)で高かった。低いのは、衛生管理者では病院・保健衛生業(72.4%)、教育・研究業(73.9%)、卸小売業(78.1%)、産業医では建設業(83.2%)で、それ以外の業種では90%を超えていた。

表5 《衛生管理者・産業医の選任率》
(%)

14年度 15年度 16年度 19年度
衛生管理者 82.8 76.4 89.4 86.7
産業医 92.4 82.4 95.9 95.9

グラフ6 衛生管理者・産業医の選任率の推移

2 衛生委員会が毎月開催されているのは6割超(表6)


 月1回以上の開催が必要な衛生委員会を「毎月開催している」企業は733社(66.2%)に留まっている。なお、未設置を含め「全く開催していない」企業は133社(12.0%)である。
  前回3調査と比較すると、衛生委員会を毎月開催する企業の割合は毎年増加しているが、「開催なし」の割合は横ばい状況となっている。

表6 《衛生委員会の開催頻度》
 ( 社.(%))

毎月 年に数回 年に1~2回 開催なし 無回答 合 計
19年度 733 170 66 133 6 1108
(66.2) (15.3) (6.0) (12.0) (0.5) (100.0)
16年度 529 142 80 112 6 869
(60.9) (16.3) (9.2) (12.9) (0.7) (100.0)
15年度 494 167 109 124 8 902
(54.8) (18.5) (12.1) (13.7) (0.9) (100.0)
14年度 580 210 140 219 11 1160
(50.0) (18.1) (12.1) (18.9) (0.9) (100.0)

3 産業医が常駐又は毎月来社している企業は約半数(表7)


 事業場の健康管理等を的確に行うため、産業医は月1回以上職場を巡視しなければならないとされている。しかし、「常駐している」とする企業及び「月1回以上来社する」としている企業を合わせても728社(53.2%)に留まっており、過去3回の調査と同様の結果となっている。
  14年度の調査と比較すると、産業医が来社しないとする企業は19年度調査で17.6%と増加している。

表7 《産業医の来社回数》
 ( 社.(%))

常駐 月1回以上 年に数回 年に1~2回 来社なし 無回答 合 計
19年度 186 542 222 151 241 25 1367
(13.6) (39.6) (16.2) (11.0) (17.6) (1.8) (100.0)
16年度 114 352 164 116 123 0 869
(13.1) (40.5) (18.9) (13.4) (14.2) (0.0) (100.0)
15年度 100 343 174 140 142 3 902
(11.1) (38.0) (19.3) (15.5) (15.7) (0.3) (100.0)
14年度 127 401 205 181 232 14 1160
(10.9) (34.6) (17.7) (15.6) (20.0) (1.2) (100.0)

4 産業医が十分活用されていないと感じている企業は、44.6%(表8)


 産業医が十分に活用されていないと感じている事業場は610社(44.6%)で、その主な理由として挙げられているのは「産業医の時間不足」(323社、23.6%)で、次いで「事業場としての活用の方法が不明」(171社、12.5%)、「経費負担が厳しい」(143社、10.5%)であった。

表8 《産業医が十分に活用されていない理由(複数回答)》
(社、(%))
産業医が十分に活用されていない理由 事業場数 割  合
産業医の時間不足 323 23.6
事業場として活用の方法が不明 171 12.5
経費負担が厳しい 143 10.5
産業医が遠方である 67 4.9
産業医の認識不足 39 2.9
その他の理由 83 6.1


 産業医の活動内容においては、健康診断への関与では「検診結果について就業上の措置に関する意見具申」(925社、67.7%)がトップとなっており、健康診断以外では「健康相談・健康教育(775社、56.3%)、「衛生委員会への出席」(711社、52.0%)、「長時間労働者への面接指導」(670社、49.0%)が上位を占めていた。

表9 《産業医の活動内容(複数回答)》
(社、(%))
健康診断関係への関与 健康診断関係以外での活動
検診結果について就業上の措置に関する意見具申 925 67.7 健康相談・健康教育 775 56.7
健診結果通知に併せた保健指導 909 66.5 衛生委員会への出席 711 52.0
就業上の措置の実施に当たっての助言 708 51.8 長時間労働者に対する面接指導 670 49.0
健診の立ち会い 411 30.1 職場復帰の可否の判断 621 45.4
健診結果の経年変化の把握等データーの分析等 375 27.4 メンタルヘルスケア 530 38.8
健診の企画 311 22.8 職場巡視 503 36.8
その他の関与 53 3.9 現在治療中の者に対する保健指導 397 29.0
関与なし 86 6.3 作業状況・労働時間等の実態把握 264 19.3

その他の活動 31 2.3
特に活動していない 148 10.8

§III 健康診断実施状況について

1 定期健康診断の受診率は高い水準


 定期健康診断の受診率は、100%が386社(28.2%)、80%以上(100%を含む。)では1242社 (90.9%)となっており、一定定着している状況が窺え、健康診断結果の全労働者への通知 も、1336社(97.7%)で実施されていた。

表10 《健康診断結果の労働者への通知の内容》
(社、(%))
内    容 事業場数 割 合
全員に通知している 688 50.3
全員に通知し、併せて保健指導等を実施 644 47.1
健診機関から本人宛に通知されているが、事業場では把握していない 18 1.3
異常が認められた者に限り通知している 13 1.0
特定の者に通知している 1 0.1
通知していない 0 0
無回答 3 0.2

2 労災保険による二次健康診断等給付制度の周知率は低い。


 定期健康診断実施結果において、脳・心臓疾患の発生に関連する検査項目に異常が認められた場合に二次健康診断等が無料で受けられる「二次健康診断等給付制度」については、利用した企業は317社(23.2%)にすぎず、269社(19.7%)では制度そのものも知らなかった。

§IV 過重労働対策について
1 1か月に100時間を超える時間外・休日労働があった企業は47.5%(表11)


 1か月100時間を超える時間外・休日労働(以下「時間外労働」という。)があるとする企業は47.5%であり、また、1か月に100時間を超えるか、2~6か月を平均して月80時間を超える時間外労働があるとする企業は862社となっており、その全体の割合は、14年度が24.9%、15年度が31.9%、16年度が35.7%であった状況に比較すると19年度は63.1%と2倍近くに大幅に増加している。

表11 《時間外労働が1か月100時間を超える企業数》
時間外労働等が1か月100時間を超える労働者がいる いない 回答なし
649 (47.5) 711 (52.0) 7 (0.5)

表12 《時間外労働が1か月100時間を超えるか、2~6か月を平均して月80時間を 超える企業数》
(社、(%))
年度 当該時間外あり 今後可能性あり 当該時間外なし 無回答 全 体
19年度 862 (63.1) 499 (36.5) 6 (0.4) 1,367
16年度 382 (35.7) 238 (22.2) 443 (41.4) 8 (0.7) 1,071
15年度 353 (31.9) 244 (22.1) 498 (45.0) 11 (1.0) 1,106
14年度 376 (24.9) 344 (22.8) 776 (51.4) 13 (0.9) 1,509

グラフ7 時間外労働が1か月100時間を超えるか、2~6か月を平均して月80時間を超える企業数


 また、最近(1~2年)の総労働時間数の変化については、「増加している」55社(4.0% %)、 「やや増加している」189社(13.8%)、「特定の者・部署で増加している」332社(24.3%) であり、増加しているとの認識を示している事業場は576社(42.1%)との状況であった。
  このような状況の中で、労働時間短縮対策の必要性については、「なお必要であり対 策を講じている」826社(60.4%)、「必要ではあるが効果的対策が不明」261社(19.1%)、「必要であるが対策は講じていない」107社(7.8%)であった。

表13 《主な業種別の総労働時間数の変化について》
(社、(%))
総労働時間数の変化の内容 製造業 卸小売業 その他 全体
1増加している 9( 0.6) 8( 3.6) 22( 4.3) 55( 4.0)
2やや増加している 43(19.1) 21( 9.5) 56(10.2) 189(13.8)
3特定の者・部署で増加している 60(26.7) 45(20.4) 129(25.2) 332(24.3)
4変化はない 45(20.0) 52(23.5) 135(26.4) 338(24.7)
5やや減少している 45(20.0) 61(27.6) 109(21.3) 290(21.2)
6減少している 19( 8.4) 22(10.0) 32( 6.3) 114( 8.3)
7特定の者・部署のみ減少している 2( 0.9) 1( 0.5) 5( 1.0) 11( 0.8)
8不明 0( 0.0) 6( 2.7) 11( 2.2) 21( 1.5)
9回答なし 2( 0.9) 5( 2.3) 12( 2.3) 17( 1.2)

グラフ8 主な業種別の総労働時間の変化

表14 《主要な業種の総労働時間短縮対策の必要性の有無について》
(社、(%))
総労働時間短縮対策の必要性の有無 製造業 卸小売業 その他 全体
1時短は進んでおり対策の必要性はない 22( 9.8) 19( 8.6) 64(11.6) 146(10.7)
2なお必要であり対策を講じている 150(66.7) 133(60.2) 289(56.6) 826(60.4)
3必要ではあるが効果的対策が不明 99(44.0) 46((20.8) 101(18.3) 261(19.1)
4必要であるが対策は講じていない 9( 4.0) 19( 8.6) 47( 9.2) 107( 7.8)

グラフ9 主要な業種の総労働時間短縮対策の必要性の有無について
2 長時間労働者に対する医師による面接指導制度の設置は未だ半数(表15)


 長時間労働者に対する医師による面接指導制度(併せて、「準ずる措置」を設けている企業を含む。)を設けている企業は691社(50.5%)であり、面接指導に準じた措置のみを設けている企業は226社(16.5%)になっているが、何らの制度も設けていない企業も407社(29.8%)に上っている。
  医師による面接指導制度は、平成18年4月より法制化(規模50人以上の事業場)されたものであるが、努力義務であった平成16年の調査では面接指導制度の設置は39.0%であったことを踏まえると、法制化により徐々に整備されていることが窺えるが、平成20年4月からはすべての規模の事業場に適用されることから、早急な整備が求められる。

表15 《医師による面接指導制度等の設置状況(複数回答)》
(社、(%))
面接指導制度等の内容 事業場数 割合
医師による面接指導制度 691 50.5
医師による面接指導に準じた措置のみ 226 16.5
何らの制度も設けていない 407 29.8

3 面接指導に準じた措置は、「産業医からの助言指導」が1/3(表16)


 面接指導に準じた措置で一番多いのは1「産業医からの助言指導」で451社(33.0%)、次いで2「チェックリストで疲労蓄積度を把握して、必要な労働者に面接指導」366社(26.8%)、3「保健師等による保健指導」306社(22.4%)となっている。

表16 《面接指導に準ずる措置(複数回答)》
(社、(%))
面接指導に準ずる措置の内容 事業場数 割合
1産業医からの助言指導 451 33.0
2チェックリストで疲労蓄積度を把握して、必要な労働者に面接指導 366 26.8
3保健師等による保健指導 306 22.4
4その他 127 9.3

グラフ10 面接指導に準じた措置の内容

§V 職場における喫煙対策ガイドラインは73%に周知


 職場における喫煙対策のためのガイドラインについては、「知っている」とする企業は1001社(73.2%)で、「知らない」とする企業は349社(25.5%)であった。
  喫煙対策として行っている事項は、「喫煙室の設置」816社(59.7%)及び「会議室・食堂等の禁煙措置の実施」733社(53.6%)は半数を超える企業で実施されていた。何らの回答もない企業は12社(0.9%)であり、ほぼ全企業で喫煙対策が行われていた。
  喫煙対策のうち、喫煙室の設置又は喫煙コーナーの設置(両方設置も含む)を行っている企業は1206社(88.2%)で、9割に近い企業で分煙化が行われていた。

表17 《喫煙対策として行っている事項(複数回答)》
(社、(%))
喫煙対策として行っている事項 事業場数 割 合
1喫煙室の設置 816 59.7
2会議室・食堂等の禁煙措置の実施 733 53.6
3喫煙コーナーの設置 603 44.1
4浮遊粉じん及び一酸化炭素濃度の測定 202 14.8
5喫煙に関する教育の実施 149 10.9
6その他 124 9.1
7回答なし 12 0.9

グラフ11 喫煙対策として行っている事項


 有効な喫煙対策機器の設置については、空気清浄装置は約半数の企業で設置されており、その他の換気設備を加えれば、ほぼ全企業で何らかの有効な喫煙対策機器が設置されていた。

表18 《有効な喫煙対策機器の設置状況(複数回答)》
(社、(%))
有効な喫煙対策機器 事業場数 割 合
1空気清浄装置の設置 646 47.3
2換気装置の設置 432 31.6
3煙を吸引して屋外に排出する装置の設置 345 25.2
4その他 146 10.7

グラフ12 有効な喫煙対策機器の設置状況



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