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東 京 労 働 局 発 表
平成 21 年 1月21日



東京労働局労働基準部
監督課長  加藤 博人
監察監督官   梶野  晃
電話 03(3512)1612(内線6417)
墜落・転落防止を重点に310箇所の建設現場を一斉監督指導
~約56%の現場で安衛法違反、うち約30%の現場で作業停止等を命令~


1 一斉監督指導の実施
 東京労働局(局長 東 明洋)では、次のとおり、東京都内の建設現場に対して、一斉に監督指導を実施した。
1 対象 都内の建設工事現場 310現場
2 期間 平成20年12月1日から同月12日
 平成20年度を初年度とする東京労働局の第11次労働災害防止計画においては、建設業の墜落・転落災害の防止を最重点とする取り組みを行っており、また、東京都内の建設現場における労働災害の発生状況は、墜落・転落災害の占める割合が高い傾向にあることから、死亡災害の発生原因の5割(平成20年速報値)を占める墜落・転落災害の防止等を重点に管下18労働基準監督署・支署が都内の建設工事現場に対して実施したものである(表1、表2、図1)。

2 

監督指導実施結果

(1) 違反状況
 310現場の55.5%に労働安全衛生法違反
 監督指導を実施した310現場の内、何らかの労働安全衛生法等関係法令違反(以下「法令違反」という。)が認められた現場は172現場(55.5 %)であった。
 主要な違反事項として、
1 足場や高所の作業床等からの墜落・転落防止に関する違反が105現場
2 元請の安全衛生管理面に関する違反が64現場
で認められた(表1、表2)。
 52現場に対して作業停止措置、立入禁止措置等の命令書を交付
  法令違反が認められた現場のうち、特に労働災害の急迫した危険が認められた52現場(法令違反が認められた現場の30.2%)に対しては、作業停止等を命令する行政処分を行った(表1)。
(2) リスクアセスメント等の取組状況等
 今回監督指導を実施した現場におけるリスクアセスメント等の取組状況は、
1 実施している現場 
185現場
(59.7%)
2 今後実施予定がある現場
46現場
(14.8%)
3 実施予定がない現場
41現場
(13.2%)
4 制度を知らない現場
16現場
( 5.2%)
5 その他
17現場
( 5.5%)
であった。(図1)

(注)  リスクアセスメント等とは、以下の手順で実施する労働災害防止対策であり、危険の度合(リスク)に応じて、事前にリスクを除去・低減する計画を立てて対策を実施するため、死亡災害、重傷災害防止に有効な仕組みとなっている。
 当行政においては、建設現場のみならず、工場等の労働災害防止の必要な事業場及び関係団体に対して周知を図り、その導入を推進している。
 (リスクアセスメント等の仕組み概要)
1 現場において事前に危険な箇所や作業の洗い出しを行う。
2 各危険箇所等について、危険の度合い(リスク)を見積もり、4段階程度のレベルに評価分類する。
3 レベルに応じたリスクの除去・低減措置を事前に計画し、リスクを再評価する。
4 計画に基づく措置を実施するとともに、残ったリスクを明確にし、作業標準等を確実に守らせる。
3 今後の方針
 平成20年度を初年度とする東京労働局の第11次労働災害防止計画においては、建設業を重点業種と位置づけており、特に「墜落・転落」による労働災害の防止を最重点としている。
 東京労働局管内では、平成20年における建設業の労働災害のうち、墜落・転落による労働災害が、死亡災害の5割、死傷災害の4割弱を占めていることから、管下の各労働基準監督署では、墜落・転落災害の防止を重点として、建設現場に対し監督指導を継続するとともに、死亡・重大災害防止に有効なリスクアセスメント等の導入を推進することとしている。
 また、法令違反を原因とする死亡・重大災害を発生させた現場や労働災害を隠した現場に対しては、司法処分を行うなど厳正な対応を行うこととしている。
表1 建設現場違反状況表1
表2 事項別違反状況 
(* 安衛法は労働安全衛生法、安衛則は労働安全衛生規則、令は労働安全衛生法施行令、クレーン則はクレーン等安全規則の略)
表2
図1 リスクアセスメントの実施状況
図-1
図2 建設業における死傷者数と全産業に占める割合の推移(東京都)
    * 平成20年は速報値(以下同じ)
図2
図3 平成20年 建設業における死傷災害の事故の型別状況(東京都)
死傷者合計1512人
図3
表3 平成15年以降の建設業における労働災害の推移(東京都) 表3
 *平成20年速報値は、平成21年1月8日現在の数字である。 


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