労働基準部長による航空業の事業場に対する安全衛生パトロールを実施しました
~全国安全週間準備期間中に実施~


令和6年6月25日(火)
日本航空株式会社の客室業務訓練施設で安全衛生パトロールを行う岡田労働基準部長(右)
 
 東京労働局(局長 美濃芳郎)は、このたび、全国安全週間(準備期間:令和6年6月1日から6月30日、本週間:令和6年7月1日から7月7日)に際し、東京労働局管内において労働災害が多発している業種である航空業における労働災害防止対策の徹底と安全衛生意識の高揚を目的として、岡田労働基準部長による安全衛生パトロールを行いました。
 岡田労働基準部長は、冒頭の挨拶で
「東京都内の航空業における休業4日以上の死傷者数は、新型コロナウイルス感染症による減便等に影響し、令和3年は50人でしたが、その後、令和4年は94人、令和5年は175人と2年連続で増加している状況にあります。
(参考:東京労働局管内の航空業における労働災害発生状況
 令和6年においても、5月末日時点の速報値で、休業4日以上の死傷者数が60人と前年同期比で4人増加しており、憂慮される状況です。
 本日は、東京労働局管内の航空業における労働災害防止を図るため、事業場において精力的に取り組まれている客室乗務員の労働災害防止対策について、確認させていただきたいと思います。
(参考:客室乗務員の労働災害防止の取組(日本航空株式会社 羽田地区事業所))」
などと呼びかけました。

安全衛生パトロールに先立ち挨拶を行う岡田労働基準部長


事業場における労働災害の現状と防止対策の取組について説明を受ける岡田労働基準部長


客室業務訓練施設において、着陸時の衝撃緩和姿勢の説明を受ける岡田労働基準部長


機内持込手荷物収納時における腰痛予防のための作業姿勢について確認する岡田労働基準部長


収納棚のロック確認を行うために使用するTanaOS(タナオス)について説明を受ける岡田労働基準部長


日本航空株式会社がメーカーと共同開発したTanaOS(タナオス)


配膳カートの転倒に伴う火傷防止対策等を視察する岡田労働基準部長
 
救難訓練における労働災害防止対策について説明を受ける岡田労働基準部長
   

 
【安全衛生パトロール場所の概要】
 日本航空株式会社 第1・第2テクニカルセンター※
(※運航乗務員、客室乗務員、地上係員を対象とした訓練センター。安全衛生パトロールで確認した客室業務訓練施設や救難訓練施設のほか、フライトシミュレーターや空港業務訓練施設、健康診断の設備等も備えます。)

【安全衛生パトロールの目的】
 航空業における労働災害発生状況を分析すると、特に客室乗務員の職種の労働者が、航空機の着陸時における衝撃や乱気流による機体の揺れに起因した激突災害、機内持ち込み手荷物の取扱作業に起因した腰痛災害や落下災害等が多く発生しています。
 そこで、客室乗務員の労働防止対策に積極的に取り組んでいる日本航空株式会社が、客室乗務員を含めた労働者の訓練施設として使用している第1・第2テクニカルセンターにおいて、安全衛生パトロールを実施しました。

 報道発表
 
【東京労働局管内の航空業における労働災害発生状況】
 労働災害発生状況(令和元年以降)[PDF形式:約452.0KB]   
 
 
 
【客室乗務員の労働災害防止の取組(日本航空株式会社 羽田地区事業所)】
 1.航空機の着陸時における衝撃緩和
  ・ブリーフィングデスクの大画面を使用した着陸姿勢ビデオ放映による啓蒙活動
  ・着陸姿勢のポイントをまとめたPOPを使用した出発前のリマインド
    
       (着陸姿勢のポイントをまとめたPOP)
 2.乱気流(タービュランス)による機体の揺れに起因した激突災害防止対策
  ・動画コンテンツを活用したフライト前後の1分間体操の励行
  ・体幹づくり等を目的とした社内トレーナーによるワンポイントアドバイスの実施
  ・ヒールなし・パンツスタイル制服の導入
 3.機内持ち込み手荷物の取扱作業における腰痛災害予防対策
  ・動画コンテンツやテレワークコンテンツを活用した作業姿勢のリマインド
  ・ホームページ及び機内アナウンスによる乗客への手荷物収納依頼の実施
  ・モックアップ(実大模型)を活用した正しい作業姿勢とカート操作の確認        
    
          (作業姿勢のリマインド)
 4.機内持ち込み手荷物の落下災害防止対策
  ・収納棚のロックを確認するための器具「TanaOS(タナオス)」の機内配備
 5.定期救難訓練における労働災害防止対策
  ・機外避難用スライド滑走前における体操実施と滑走姿勢のリマインド
  ・スライド滑走後の衝撃緩和のためマットの配置
  ・複数名のインストラクターを配置すること等による訓練補助
 (※以上は、事業場で取り組まれている労働災害防止の取組の一例です。)

 
【参考「全国安全週間」の取組について】
 東京労働局(局長 美濃芳郎)では、事業者等の関係者が、安全と健康に関する問題を深く認識し、改めて、労働者の安全と健康の確保に対する取組の決意を共有する機会として、広く安全意識の高揚を図ることを目的とした全国安全週間(準備期間:6月1日から6月30日、本週間:7月1日から7月7日)を実施しています。この期間において、東京産業安全衛生大会の開催、関係団体等に対する労働災害防止に係る要請、労働局幹部による安全衛生パトロール、集中現場指導の実施など様々な労働災害防止に係る取組を展開しています。
 詳しくはこちらをご確認ください → 報道発表

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